所 信 井花 佳彦
挑戦と変革
~活力と創造力で未来を拓く~
はじめに
2008年2月7日未明、急激な頭痛により私は救急搬送され、早期に手術が必要であ ると診断されました。術後7日目で意識が戻った私は、長期のリハビリを経て幸運にも社会に復帰することができました。ところが復帰後の私は、満足出来ない自分自身の行動に対し、全て病気が原因であると責任を転嫁するようになってしまいました。一方でいつかどこかで自分を打破し変えたいという考えも持っていました。そんな中、以前より青年会 議所への入会をすすめられていたこともあり、自分自身の立て直しと、自分を変えるには 良い機会であると考え、2012年8月より青年会議所での活動をスタートしました。
私の青年会議所における在籍年数は決して長いとは言えません。新たな事に挑戦して一 年一年を本気で取り組むことによって、在籍年数の長さに関係なく貴重な財産となる経験 が得られることを、身をもって知ることができました。ただ与えられた機会を待っているのでは無く、自らが一歩踏み出して様々な事に興味を持って取り組むことで得る物は計り 知れません。青年会議所には無限の可能性があり、様々な場面の困難に対しても仲間を励まし、また自らを鼓舞し、物事に対する積極性があれば必ず成長が出来る組織であると確信しております。私達はリスクを恐れず勇気を持って様々な事に挑戦し、まちの未来を築 いていく事が必要です。
共鳴するまちづくり
~まちが大きく変わろうとしている今だからこそ~
私達の住まう所沢市は、1950年の市制施行時には5万人に満たない人口でしたが、 行政や関係諸団体、そして青年会議所の先輩諸氏の活躍もあり、現在は人口34万人を超 える県内でも有数の施行時特例市となっています。この所沢市は、住みよい住環境と豊か な自然に恵まれ、まちの象徴となっている航空発祥の歴史やスポーツ文化を持ち、市民憲 章に高らかに謳われている「うるおいの文化都市」を目指し、成長し続けるまちです。ま た新たに、まちづくりの方向性とその実現に向けた施策を示した開発が計画されており、 まちに多くの人々を呼び込む仕掛けとして所沢市に暮らす市民の生活に大きな影響をもたらす事でしょう。
私は、この大きな変化をチャンスと捉え、まちに変革をもたらすため、市内外の方々にまちの歴史と現状、そして所沢の魅力を力強く発信し、私達が未来を創造していくことが 重要だと考えます。そして多くの方々と共鳴することにより市民の方には「所沢に住んで 良かった」市外の方からは「所沢に住んでみたい」と思っていただける様、まちづくりを 進めます。青年会議所でなければ創り出せない事は数多くあり、その創造力を行動に変え 実現出来るのは私達だけです。その為にメンバー全員が結束し、関係諸団体の皆様、先輩諸氏とで連携しながら、私達が起点となってまちに変革を起こし地域をさらに活気づけて参ります。
たくましく生きる子ども達に
~子ども達に夢や希望を持ってもらうために~
私は幼少の頃から近くの公園や校庭に行き、様々な事に興味を持って毎日を過ごしていました。また、沢山の体験からスポーツ選手に憧れを抱き、夢を持って少年期を過ごして いました。では、現代の子ども達はどのように暮らしているでしょうか。
子ども達を取巻く環境の変化の中で、近年インターネット等を通じた擬似的・間接的な 体験が増加する反面、直接触れて体感する機会が減少していると感じています。子ども達 には家の中に閉じこもっているのではなく、自然の中でしか経験できないことや、新たな 環境に足を踏み入れて様々な体験をすることで、興味や目標を持って取り組んでくれると 思います。その中で人と人との関わり方から学ぶ思いやりや気遣いを知り、日本人が受け 継がれてきた礼節や道徳心を養う事が出来ると思います。また、集団生活において個々の 役割を理解し、責任感を育むことにより、子ども達の大きな成長に繋がると考えます。
新たな環境に挑戦させる保護者の方は、心配が絶えないと思います。私たちが地域の大 人として、否定から入るのではなく、どのような表現であっても、見守り、背中を押すこ とによって、子ども達は様々な事に挑戦し、想像を超えた成長を見せてくれるはずです。 そのような経験を通じて「豊かな発想」「たくましく生きる力」を育成し、子ども達が夢や 希望をもって挑戦できる様な事業を展開して参ります。
活き活きした組織づくり
~スキルアップを目指そう~
私達メンバーは日々、仕事や家庭がある中で時間を捻出し事業に参加しています。青年 会議所活動・運動に充てる時間で、会社を成長させることが出来たかもしれない、仕事に 専念してもっと売上げアップが出来たかもしれない、そのように考えることもあります。 私達がこの地域で青年会議所活動・運動に励んでいられるのも家族や職場、先輩諸氏のご 協力があってのことです。そのご協力に報いるためにも、この貴重な時間の中で全力を尽 くさなければいけません。私達が、事業に参加しながらも稼業に活かせるスキルアップす るべく、得意分野を更に発展させることはもちろん、新たな挑戦に取り組める姿勢が習得 出来れば、もっと職場でも家庭でも青年会議所活動・運動に賛同してもらえると思います。 今までやってきた事をただ継続するのではなく、事業で得た気付きや学びを活かし、稼業 の成長と揺るがない基盤づくりの糧となる事業を展開して参ります。
昨今(公社)所沢青年会議所では、共通の趣味で集まる仲間や仕事で接点のある仲間な ど様々な形で交流を図る機会が増え、組織の役職に捉われないメンバー間のコミュニケー ションが取れてきています。メンバーが更に結束し、交流を深めて行くことが出来れば、 青年会議所内の友だけではなく生涯の友として互いに成長出来ると思います。 私達は青年会議所活動・運動を通して、職場環境の充実を図り、家族への感謝の気持ち を大切に持ちながら共に成長が出来る活き活きとした組織作りへと導きます。
拡大なくして成長なし
~拡大運動で人もまちも変わる~
現在、日本全国の青年会議所会員数は減少傾向にあり深刻な問題となっています。私達 (公社)所沢青年会議所のメンバーは全国の傾向とは異なり増加していますが、今後約3 年で半数近いメンバーが入れ替わり青年会議所の意義・目的と(公社)所沢青年会議所の 歴史や伝統を伝えるメンバーが少なくなると予想されます。 私達の拡大運動は、永続的に行うべきものであり、活動・運動を続ける為の手段となり ます。そのために確かな功績を新入会員という形で組織に固着させる事が重要であり、数 の力は絶対であると考えています。
未だ出会わぬ仲間は地域に多くいます。拡大運動は組織全体で行い「全員参画」で取り 組む仕組みや風土をつくる事が重要です。この拡大運動により様々な情報や広い人脈を築 く事が出来れば、稼業にも繋がるはずです。拡大の対象となる方へは、メンバー自身が経 験した事や、得た知識を自分の言葉でしっかりと相手に伝えなければなりませんし、私達 自身も活動・運動を深く知ることは今後の糧になると思います。受け継ぐ次代のメンバー が拡大運動の必要性を認識し、一人でも多くの新入会員を迎え入れる事が出来れば、地域 社会や地域経済に活力を与える人財を輩出することが出来ます。(公社)所沢青年会議所 と所沢市の発展に必ず繋がると考え、私自身が先頭となって組織全体に大号令をかけ拡大 運動に励んで参ります。
公益社団法人所沢青年会議所の未来
~私達の挑戦は終わらない~
(公社)所沢青年会議所は本年度で54年目を迎え、およそ500名のOB会会員の方が在籍しています。先輩諸氏が行って来た事業と紡いでこられた想いを歴史として学び、 次代へと継承します。2018年度は(公社)所沢青年会議所が55周年の節目を迎える 年となりますが、私達の青年会議所活動・運動に終わりはありません。
私達はまちの発展に対し、先導的役割を果たす者として、まちの将来を見据えたビジョ ンを持って地域の現状と課題を認識し、この地域が今後どのように発展していくべきかを考える必要があります。現在までの成長と繁栄の中にもある、いくつかの課題に向き合いながらも、私達は失敗を恐れず大胆な発想と勇気を持って挑戦して参ります。
むすびに
進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンが言ったとされる言葉に「生き残るのは、もっとも強いものではなく、もっとも知的で賢いものでもない。唯一生き残れるのは、変化できるものである。」とあります。これは私の座右の銘として常に念頭に置いているものであり、踏み出す勇気を持てない時に私の背中を押してくれた言葉です。私達は変化するまち や時代において的確に情報収集を行い、物事を見極める判断力をもって事業展開をしていきます。私は、誇りある(公社)所沢青年会議所の理事長として、決起果敢に挑戦し続け 変革を遂げるよう一年間邁進して参ります。