第59代理事長 廣野 優介

前進と再生

はじめに

「前進」とは、前へ進むこと。「再生」とは、生まれ変わること。青年会議所は常にこの二 つを繰り返し今日に至ると私は考えています。社会情勢や生活様式の変化は時代と共に常に 向き合わなくてはならない課題であり、向き合うことを怠っては時代に取り残されてしまい ます。地域のために歩みを止めずに前へと進み続け、現状の維持に留まらず未来のために新 たな組織へと生まれ変わる、この両輪を回すことで目標へと進むことができます。ところざ わの明るい未来や魅力ある組織を目標とし、公益社団法人所沢青年会議所が飛躍を遂げるた めには、会員の更なる意識の向上が必要となります。

まちに影響力のある組織であり続けるために、会員一人ひとりが愛するところざわには何 が必要かを見据えて貢献をしていくことが不可欠です。そして1964年の創立以来、まち づくり運動に率先して取り組む組織として持続可能な地域を目指し、今の社会にとって必要 な課題を見出し、正面から向き合って解決しなければなりません。

自己成長のための意識変革

新しい生活様式、働き方改革など社会のルールが目まぐるしく変化する中、青年会議所の ルールも時代に合わせ変えていく必要があります。しかし、時代の変化への対応を重視しす ぎ、風習やしきたりを前時代的な考え方と決めつけるような方法をとるべきではありません。 真に社会から求められていることを突き詰めて考え、世の中の雰囲気に流され目的を見失う ことのないように、先輩諸氏が作り上げてきた伝統と歴史をしっかりと継承し、進んでいく 必要があります。そして地域のリーダーを志す者達として、建設的な発言を心掛け、他者へ の感謝を忘れない社会の模範となる人格を目指すことが責務であります。

青年会議所には「奉仕・修練・友情」という三信条があります。その全てに個人の理解と 組織全体の統一意識がなくては、それらは意義を失ってしまいます。会員同士の交流におい ても社会人としての常識や振る舞いを忘れることのないように努め、この組織や取り組みの 意味を理解できるよう考えて参加することが前進への一歩となります。また、会員一人ひと りが会社や家族の理解や支えの上で成り立っていることへの感謝の気持ちをもって活動に臨 むことで、事業へ参加することの意義や責任を自覚でき、そうした心掛けにより見聞は自然 と広がり、自らの成長へと繋がります。私は会員一人ひとりの意識を向上させ、この組織の 飛躍へと繋げてまいります。

未来へ進むまちづくり

私達にできるまちづくりの根源は、まちのことを考え、日々前向きに行動することです。 近年は所沢駅西口の大規模な開発も伴い、所沢市はまちとしての更なる魅力が誕生すること への期待が市内外から高まっています。

この変わりゆく時代の中でも(公社)所沢青年会議所が現在まで行ってきたまちづくり運 動を振り返り、過去に学ぶことを忘れてはいけません。先輩諸氏がところざわの明るい未来 を目指し培ってきた功績を受け継ぎ、未来のための行動に繋げていくことが私達の担いとな ります。まちのためにできる最大限の貢献を考え、失敗を恐れずに実践し、検証から改善を 繰り返すことで私達はところざわの持続可能なまちづくり、明るい未来への一端を担うこと ができるのです。

現代社会においては、率先して行動を起こしても世の中の目に留まることは難しい時代と なっています。伝えることを怠っては他者からの評価を得られないと言っても過言ではない ほどに、発信の重要性が高まっています。私達は計算された発信が求められる時代であるこ とを理解し、最善を考えることにより効果を生む広報活動へと繋げていくことが重要です。 時代を捉えた意味のある広報活動をすることで、ところざわの魅力は市内外に伝わり、市民 の方々は自身や家族が暮らすまちへの愛着や誇りを持つきっかけになります。そして、魅力 あるまちとして、市外の方々からの関心も高まり、ところざわへ訪れるきっかけへと繋がり ます。私達が率先して行動し、時代を捉えて発信することで理想とする未来へ進むまちづく りの一歩としてまいります。

過去に学ぶ青少年育成

子ども達の暮らす環境や抱える問題は、時代と共に変化しています。社会の発展に恩恵を 受ける一方、家族や友人との関係の育み方や学校との関わり方も、私達の幼少期とは異なっ てきています。また、地域の大人達と子ども達の距離感は非常にデリケートになっていると 感じています。

どんな時代の中でも、子ども達の純粋な心が変わるわけではありません。子育て世代であ る私達の考え方や他者への希薄さが、子ども達に影響を与えているという現実を受け入れな くてはなりません。私達は過去から学び地域社会の在り方を見つめ直し、幼少期に、自ら考 え行動することの大切さを伝えてくれた親や地域の大人達のように、愛情を持って子ども達 と関わってまいります。それこそが過去から青少年の健全育成に向き合ってきた(公社)所 沢青年会議所の担いとなります。

現代の子ども達に必要な経験とは、利便性や効率的な知識を学ぶだけではなく、心を養い、 自らの可能性や価値を見出すことのできる経験です。これからの将来を担う子ども達が創意 工夫をし、自発的に行動することのできる青少年へと成長するために、私達は妥協すること なく全力で青少年事業を進め、青少年の健全育成のために努めてまいります。

未来を担う新たな力

前進と再生というサイクルを継続していくためには、新たな会員の拡大は非常に重要な課 題となります。青年会議所は経験豊富で頼れる会員が40歳で卒業しなければなりません。 新しく入会した方も数年後には経験を積み、年齢や立場に見合う振る舞いが必要とされる再 生の仕組みが出来上がっています。(公社)所沢青年会議所がまちに与える影響や貢献を考え れば一人でも多くの力が必要となります。まちに影響力のある団体であり続けるためには、 若い会員の活躍の場を創り、活動の目的や意味を理解し、伝えることのできるリーダーへと 育成することが最も重要となります。

青年会議所では20代の会員や、起業して間もない方にも社業で培ったスキルをアピール する場や、事業を通じて成功への経験を得られる機会も多分にあります。何より新たな人材 の入会こそが在籍する会員への刺激となり、前進と再生を実行するためには欠かすことので きない要素でもあります。

私達が長きに亘って前進と再生を繰り返しながら魅力ある団体であり続けるためには、新 たな人材の入会が不可欠であり、会員数の増加は必ずその先の飛躍へと繋がります。まちへ の貢献と(公社)所沢青年会議所の発展のために、会員拡大に全員で取り組み成果を出して まいります。

前進と再生の先に

現在の課題や問題を明確にし、向き合い解決する。言葉にすれば簡単に聞こえますが、実 行することは容易ではありません。しかし、一人ひとりの意識と行動から確実に解決へと向 かうことができます。

入会間もない会員は所属する委員会の力になれるよう考え取り組んでいき、参加こそが貢 献になると意識する。理事としては受けた職務を全うし、事業の目的を達成するための道筋 を捉えて努めていく。前向きな行動こそ前進へと繋がり、後ろを向くことではなく、過去を 振り返り現在に活かす行動が再生への一歩となります。その先にある(公社)所沢青年会議 所の成長のためには、各々の立場での役割は違えども目指す目的と意識は同じでなくてはな らないのです。

私は、一人でも多くの会員の意識の向上こそが更なる前進へと繋がり、理解を得ることで 再生を促せると信じ、伝えることを諦めずに目的と意識の統一という課題と妥協することな く向き合ってまいります。私達の前進と再生の先に愛するところざわの持続可能なまちづく り、理想とする未来があると信じ、(公社)所沢青年会議所の飛躍を叶えるべく全力で取り組 んでまいります。

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